Introduction

複雑に絡み合う路地。
奇態に繋がる扉。
脳細胞の繋がりに似た迷路の街に、一人の少女が招待された。


そこは二つの組織が対立する街。
屍の上に君臨する王者と、支持の下に隠れる臥龍。

金と暴力、いくつかの裏切りと、契約。
軋みを上げながら、けれど滔々と流れてきた街の生活。

しかし、不恰好に積み上げられた欲望は、
たった一人によって崩壊を迎える。

「終わらせてやるわ、全部」



Word


繋駒之宮 ‐ ケイクノミヤ

ある研究施設を中心に作られていると噂されている街だが、
無計画な増改築により、複雑化した内部に法の光は届かず、無法地帯と化している。
街が成立してからの歴史は長いが、生活環境の影響か、住人の寿命は短い。


キックロージィ

街を事実上取り仕切っている組織。
但しそれは万人の同意ではなく、暴力と金の上に成り立っている支配である。
街に入ろうとする者、住もうとする者、商おうとする者、
それらは例外なく彼らに対価を払わなければならない。
それを拒む者に与えられるのは、死のみである。
キックロージィ構成員は全員、特徴的な腕輪を付けている。


アンダークロス

キックロージィに対抗している組織。
但し規模、権力共にキックロージィには程遠く、子供と大人ほどの開きがある。
そのため、表立って対立することは少なく、構成員も粛々と暮らしている。
虐げられる者の性か、構成員同士の絆は深く、裏切りは少ない。
アンダークロスに所属する者は、全員特徴的なチョーカーを付けているが
大多数が服の下に隠している。


ブランテ・シアンテ

どちらの組織とも取引のある商店のきょうだい。
どちらも中性的な顔立ちの為、性別は不明。
更にどちらも非常に似通った顔の為、判別もやや難しい。
街成立初期からの商いらしく、特殊な基盤を持っているため、
どちらの組織もこの商店を懐柔することは出来ない。
薬、食糧、衣服、人材、嗜好品、大体なんでも揃う。
繋駒之宮で暮らす者は、まず二人の店から
腕輪かチョーカーを購入しなくてはならない。
腕輪の方ががやや高価。
街の成立から、二人の容姿は一切変化がないという噂もある。


バベル

街の元となった研究施設に住んでいたとされる人間。
空想に近い実験を繰り返していたといわれる。
誰も辿り着けない中心施設の中で、すでに死んだとも、まだ生きているとも言われている。


“空想的で実現不可能な計画を比喩的に「バベルの塔」という”